トマトソース

先日イタリア料理の先輩と電話で話をしている時、トマトソースの作り方の話になりました。

トマトソースの作り方には、調理師の皆さんそれぞれ一家言お持ちかと思います。
限られた材料を、自分が思う最高のものへと調理、調味するので、まず素材の厳選、そして創意工夫があってこそ自分が納得ゆくものができると思うからです。

先輩に聞いたその作り方は僕が20年前、初めてイタリア料理の世界に入った時、初めて師匠に教えてもらった作り方と全く同じ作り方でした。

時は経ち、現在自分でお店を切り盛りするにあたり、自分自身の考えの元ですが、師匠から教えてもらった事とはかなり隔たりが出来てしまった調理をしているなぁ…と、考えさせられてしまいました。

いったいそのトマトソースはどんな物なのだったか、20年ぶりに再確認する為に、ノスタルジックに駆られながら作ってみました。

もちろん使っているホールトマトの缶の差異、オリーブオイルの差異、材料のトマトソースや使っている塩の差異など実際にあり、辿れたものは調理法のみでしたが、とにかく僕のスタートはあぁこんな仕事だったんだよなぁ…としみじみ思い出されました。

石間が気を許した仲間以外には余り語った事のない。厳しい修行時代、暗黒時代を思い出しましたが、まぁ今ではそれもよい思い出。それがあり、今があると感謝も感じつつトマトソース作りを終えました。

まぁ実際今このトマトソースを使って僕が作りたい料理といいうものは特にあるわけではないのですが、とても有意義な仕事が出来たと諸々の事に感謝しました。

何度も何度も何度も何度も…基本に立ち返り。
困ったり、悩んだ時には何度も何度も何度も何度も…基本に立ち返る。

やはり帰り着く『基本』が如何に重要か感じさせられている今日この頃。
僕の基本はやはり、師匠に1から10000まで全部叩き込まれた事で出来ているんだなぁと感じつつ、はみ出し過ぎた手足で今日ももがいています。

自分だけが懐かしいトマトソースは残り5人前くらいです。
宜しくお願い致します。

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